2011年12月11日日曜日

12/11(日)小金井哲学カフェまとめ

 12/11(日)15~17時
小金井哲学カフェのまとめです。

本日のテーマは「迷う」です。

進行:最近の「迷う」経験から始めてもらいましょう。

A:旅行でどこに行くかで迷っている。時間とお金の制約がある。
近くて安くて、チケットが取りやすいところ。

B:結婚を考えるような相手が同時に二人いて、二人に同時に好意を寄せられた。どちらかを選ばなければならないが、どちらにも針がぴくりとも動かない。迷った挙句、一人を選ぼうとしたが、その瞬間に涙が出てきて、別の人と結婚することにした。 その後、結局離婚してしまった。

B:「サウンドオブミュージック」で、マリアが、トラップ大佐の婚約者を押しのけようとしない。
誠実な道を歩むことで幸せになれる。「迷う」ということを聞くと、その場面を思い浮かべる。

A:旅行は「行かない」という選択肢がある。「迷う」状況は似ているが、求婚されている場合は、
どちらかを選ばないといけないという義務感がある。
「迷う」は、選択後の結果がわからない状態。よかったかどうかは後でわかる。
選択肢が数字になってれば、わかりやすいのに。

進行:道に「迷う」っていう状態と、いま挙げてもらったような「迷う」とは何が違うのだろうか。

A:道に迷っている時の「迷う」は、目的地がある。結果は分かっているが、過程がわからない。

進行:選択肢すら見えない「迷う」がある。人生に迷っているといわれる状態など。
「迷う」っていうことに積極的な意味はあるのか。後から見たときに。

A:旅行に行ったということに関しては、どちらを選択しても後悔はない。
ある時間が経てば、結果が出る。
仕事を選ぶ、結婚相手を選ぶ、人生の大きな決断、選んだあともよかったかどうか、
いつまでも結果がわからない。

小休止、後半戦が始まりました。
posted at 16:00:51
 (CさんとDさんが加わる)
進行:最近迷っていることはありますか。

C:進路の悩み。

A:日本の場合は進路をある時期までに決めないといけないという傾向が強い。
E:迷う権利を奪われている?
A:決める段階で選択肢の詳細がわからない場合が多いのでは。
例えば、就職先の内実はわからない。そこしか内定をもらえなくて、選択せざるをえない場合もあるだろう。
海外だと、銀行マンになって、やっぱり向いていないと思って、エディターになるということもできる。
日本より、選択の時間が担保されている。

E:楽しい「迷う」時間はあるか。
A:旅行の行き先を迷うときは、どの選択肢をとっても楽しい。

進行:例えば、9対1でこちらの選択肢がいいと決めているのに、
それでも迷ってしまう時間があるのはなぜなのだろうか。

A:「迷う」は不確定要素があるから発生する状態。情報が全部手元にあれば、迷わないのではないか。9対1の場合も足りない情報があるかもしれないから迷っているのではないか。

進行:ロバのまえに、二つの干し草の山が同じ距離に同じ量ある。ロバはどちらも選べずに餓死するという思考実験がある。

五分五分の場合は、私たちはどうやって選択しているのだろうか。五分五分で決められないとき、サイコロを投げて決めたりする。

A:サイコロでは、自分で判断したという実感がもてない。納得できない。それなら直感で決めたほうが判断したという実感がもてる。

進行:情報が出揃った状態で「迷う」時間に意味はあるのか。

A:いますぐ決めるという場合と、一週間待ってから決める場合。選択にかかる時間は一週間のうちの結局5分かもしれないけど、一週間迷うことで自分や他人へのエクスキューズができる。

キャッチコピーをつくるのに、すぐに思いついても、寝かせるらしい。すぐ思いついたキャッチコピーを出しても、クライアントは評価してくれない。

D:同じ結果を得ているのに、迷っている人と迷っていない人がいる。迷っていたことに意味があったと思うことはできるか。

A:時間をかけて迷ったものの方がいいという社会のコンセンサスがあるのではないか。

本日の議論は以上です。計4名の方に集まっていただきました。


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